住宅ローン金利の種類
住宅ローンを利用すると、金利が発生して利息を支払うことになります。
その金利ですが、住宅ローンの場合はいくつかの種類があります。
それぞれの違いについて、よくわからないという人も多いでしょう。
今回は、種類別の、住宅ローンの金利について解説します。
住宅ローン金利の種類
住宅ローンには、大きく分けて3つの種類があります。
固定金利型と変動金利型、そして固定金利期間選択型です。
それぞれ、どのような特徴があるのかを解説していきます。
固定金利型
固定金利型というのは、借入時点で金利が決定していて、それが返済期間中、ずっと同じ状態で適用されるというものです。
例えば、固定金利が3%ならそれ以降、どれだけ政策金利が上がっても3%のままということになります。
返済中、借入金利が変動することがないので、借入の時点で総返済額が決定します。
そのため、返済計画を立てる際も計算しやすいでしょう。
しかし、固定金利には注意したい点もあります。
銀行側は、現在の標準的な金利で固定金利を設定してしまうと、後から予想外に金利が上がった場合に損をすることになります。
本当は5%もらえるはずが、3%に設定しているとそれ以上取れなくなるからです。
そのため、固定金利型で設定される金利は他の種類のものより、高く設定される傾向があります。
予想される金利の上がり方も踏まえて、最初からその分も含めて設定されるからです。
そのため、後から金利が上がらなかった場合は固定金利型を選ぶと損をしてしまうでしょう。
固定金利型としてはフラット35が有名ですが、これには横浜市や川崎市のように地域連携型というものもあり、金利が引き下げになるという特典を受けられることもあります。
お住まいの地域で対応しているか、調べてみましょう。
変動金利型
変動金利型というのは、借入期間中も一定期間ごとに金利の見直しを行い、適宜変更される住宅ローンです。
例えば、最初は3%で借りていたのに1年後は2.5%や4%等に変更される可能性があるということです。
変動金利型の場合、借り入れ当初の金利は固定金利型よりも低くなっています。
そのため、一見するとお得に思えるでしょう。
しかし、後になってから固定金利型の方が低くなる、ということもあり得るのです。
変動金利型の場合、今後の金利がどうなるかは全く不明です。
そのため、借入の時点では総返済額がいくらになるのかは分かりません。
途中で金利が上昇すれば総返済額は増え、金利が下がれば総返済額は減るからです。
通常、金利の見直しが行われるのは半年ごとです。
しかし、元利均等返済というタイプの商品に関しては5年ルールというものがあり、5年毎に返済額の見直しがされるというのが一般的です。
その場合、返済額が見直されてから5年間は適用される金利が上昇したとしても、毎月返済する金額は変わりません。
また、見直しが行われた場合でも急激に返済額が変わることはなく、それまでの返済額の125.0%が上限となります。
そのため、これまで10万円だった場合は最大でも12.5万円までしか上がらないのです。
こういったルールは、金利変動が原因で毎月の返済額が大幅に増えてしまい、返済を続けることができなくなるようなことがないよう、リスクを軽減するために設けられたものです。
しかし、短期間で金利が大きく上がってしまうようなことがあれば、「未払利息」というものが発生する可能性があります。
未払利息というのは、金利が急激に上昇したことで利息が増えた時、その利息が毎月の返済額よりも大きくなってしまった部分のことです。
通常、これは通常の返済と別に返済する必要があり、それが行われなかった場合は返済が終了するまで蓄積されていくことになります。
未払利息には利息が発生することはないものの、それが発生している間は元金の返済が進まなくなってしまい、返済期間が終了した時には蓄積している未払利息を期間延長、又は一括で返済するよう求められる可能性もあるのです。
固定金利期間選択型
固定金利期間選択型というのは、固定金利型と変動金利型を合わせたものです。
最初に固定金利の期間を指定し、その期間は固定金利での返済をするのですが、それが終わった後は自動的に変動金利へと変更されるか、再び固定金利を選択することができるというものです。
固定金利の期間は、通常3年、5年、10年の3つから選択することになります。
その期間が長いほど適用される金利は高くなる傾向がありますが、金融機関によっても違いがありキャンペーンで下がっていることもあります。
固定期間中は返済額が確定されているのですが、その期間が終了すると金利の引き下げ幅が縮小される商品もあり、その場合は金利が大きく上がってしまうこともあります。
そういった点も踏まえて、どの種類がいいのかを選択しましょう。
住宅ローン金利を選ぶポイント
住宅ローン金利は、どのタイプを選ぶべきか悩む人も多いでしょう。
そんな時、選ぶポイントを知っておくと選びやすくなります。
どのようなポイントを考えるべきか、解説します。
まずは、それぞれの金利型のメリットとデメリットを考えてみましょう。
それぞれ、メリットとデメリットに違いがあるので、どちらも理解した上で自分が何を重視するのか、という観点から選んでみましょう。
メリットの場合は、自分が望んでいる内容と合致するかどうか、デメリットはそれを許容できるかどうかで考えてみてください。
そうして、自分に合った型を選ぶようにしましょう。
固定金利の場合は、毎月の返済額と総返済額を最初から確定させて、計画的に返済したいという方に向いています。
しかし、せっかく市場で金利が下がっても返済額が減らないというのが嫌な人には、向いていません。
変動金利型は、最初だけでも低い金利で借り入れをして総返済額を抑えたい、という人に向いています。
しかし、途中で金利が上昇する可能性もあるので、そういう時にも返済できるように対応できるだけの余裕があることが望ましいでしょう。
また、変動金利型には借り入れの際、総返済額が確定しないというデメリットもあります。
そのせいで返済計画が立てにくいので、それでもいいという人に向いています。
場合によっては、未払利息が発生する可能性もあるので気を付けましょう。
また、それぞれの総返済額がどのくらいになるのか、シミュレーションをして確認してみましょう。
ただし、固定金利型は簡単にできますが、変動金利型で計算が複雑になります。
なぜなら、途中で金利が上昇するケースも考えられるので、それも想定しなくてはならないからです。
金利がどのくらい上がったら返済額はいくらになるのか、いくつかのパターンで試してみましょう。
このようなシミュレーションが簡単に出来るところもあるので、ネット上で探してみてください。
多くの金融機関で、シミュレーターを用意しています。
金利タイプを選ぶ際は、ライフプランに合わせることも大切です。
夫婦共働きか片方だけが働くのか、子どもが何人いて何年後に進学するのかなどを考慮して、適切なものを選ぶようにしましょう。
子どもの教育費などのまとまった金額が必要となる可能性がある場合には、固定金利型を選んだ方が返済計画も立てやすいでしょう。
支出が決まるので、どのくらい貯蓄できるのかという計画も立てやすいのです。
変動金利型は、ある程度金利が上昇しても対応できる場合に選択しましょう。
金利が上がらなければ総返済額は少なくなります。
また、少なくとも最初のうちは、固定金利よりも返済額を抑えることができます。
その分を貯蓄しておけば、金利が上昇した場合も対応しやすくなります。
また、家計に余裕ができた時や金利が上昇した際に、繰上返済をするという方法もあります。
そうやって、返済額が増えないようにすることも重要です。
まとめ
住宅ローン金利は、計算が複雑になることもあるのでどれがいいかを選ぶのが難しいかもしれません。
それでも、それぞれのタイプの特徴を理解して自分に適切なものを選ぶようにしましょう。
もし、決められないという場合は金融機関に相談してみてください。
それぞれのメリットやデメリットなどを丁寧に教えてもらうことができるので、判断の助けとなるでしょう。